絵本
2009年 07月 03日
昨日も書いたとおり、絵本作家になりたかった(小6の文集にそう書いた・・・)私にとって、子育てを通じて、再び絵本を手に取ることができることは、大きな喜びです。
特に小さな子供向けの絵本は、言葉は短く、リズムがあって、絵はシンプルで情景を伝え、色使いは、心躍るものが多く、見ていてとても楽しいです。
最近、特に心に残った絵本2冊です。
カエルのおはなし<ころらっぷ ころらっぷ>は、子供も大好きで、よくこれを抱いたまま寝ています。
文は、シンガー&ボイス・アーティストのおおたか静流さん。
1ページめの文は「ころらっぷ ころらっぷ れぎれぎくえーけん」
こんなおまじないのような言葉が、最後まで続きます。
それが、不思議とかわいらしいカエルのイラストとマッチして、独特の世界をつくっています。
そして、やわらかな色で彩られたカエルの世界を描いたのは、エム ナマエさん。
この方は、全盲のイラストレーターなのです。
学生の頃からイラストレーターとして活躍し、16年後に失明。
彼のメッセージです。
瞳を閉じたら、いろいろなものが見えてきた。
失明するということは、目の中が真っ暗になることではなかった。
色と光、線と形。
暗闇宇宙で夢の粒子が様々に姿を変える。
そしてボクは気がついた。
今でも絵がかけること。
全ての色が友だちであること。
色彩を学ぶと最初に「色が存在する条件として」、光があること、物体があること、目が機能していることという3つのことを学びます。
でも、それが全てではないことを、エム ナマエさんが証明しています。
私は子供の頃、目を閉じると自分の目の奥に現れる赤く丸い物体が、気になって仕方がなかった。
そして、その赤い物体こそが自分自身だという不思議な観念にとらわれていた。
光や、物体や、目を通さずとも、「色」は存在するのだ。
もう一冊は、酒井駒子さんの「ロンパーちゃんとふうせん」
とにかく絵が素晴らしい。
やわらかな線と色が、子供のふんわりとした世界をあらわしている。
子供って、生命力溢れるキラキラした存在でありながら、どこかつかみどころのないやわらかさがある。
そして、ストーリー。
現実と夢の世界を、いったりきたりする子供の感情がそのまま語られていて、自分が子供だったころにタイムスリップしてしまう。
酒井駒子さんの他の作品「よるくま」も同じように、夢と現実が交錯する。
絵本をめぐる「言葉」 「色」 「絵」 「ストーリー」。
そして、それを読むお母さんやお父さんの「声」。
じっとみつめる子供。
こんなに文化的で幸せな空間が他にあるでしょうか。
カラースクール20期生の卒業式では、絵本の朗読とそれにあわせてジャズの即興演奏をしていただくことになった。
前出のおおたか静流さんの言葉です。
「声が色で、色は音で、言葉は生きもので、絵は色とりどりの鼓動を伝えてくれます。」
卒業生が、色を、物質的な視覚から脳に伝わる波動としてだけではなく、音にも、言葉にも変換できる大きな深い生きものとしてとらえてくれるように・・・・
音と色のコラボレーションは、これから使命感をもって取り組むテーマのひとつです。
by slow-beauty
| 2009-07-03 22:17
| 湘南スローライフ